はじめての投稿ガイド
「小説を書く」と構えると、手が止まります。ここでは、ひとつの場面を500字で書くところから始める方法を、順番に説明します。
1. 出来事をひとつだけ選ぶ
人生の全部を書こうとしないでください。書くのは「あの日の、あの三十分」です。
- 母が病院で言った、たった一言
- 会社を辞めた日の、帰りの電車
- 父の車で駅まで送ってもらった十二分
迷ったら、いま出ているお題を使ってください。
2. 「値段」「時間」「物」を入れる
読んだ人が「本当にあったこと」と感じるのは、気持ちの言葉ではなく、細かい事実です。
| ぼんやり | はっきり |
|---|---|
| 母が料理を作ってくれた | 冷蔵庫の奥に、母の字で「カレー」と書いたタッパーがあった |
| 安い給料で働いていた | 時給は千三百五十円。深夜手当で月に四万違う |
| 駅まで送ってくれた | 家から駅まで、車で十二分だった |
3. 気持ちは書かない。行動を書く
「悲しかった」と書くかわりに、「私は付箋を剥がして、財布に入れた」と書く。読む人は、行動から気持ちを受け取ります。
4. 終わりは「まとめない」
「この経験から学んだのは……」と締めたくなりますが、やめてみてください。最後の一文が、ただの事実で終わっているほうが、長く残ります。
例:「父の車は、今も同じ車だ。」(『駅までの十二分』の最後の一文)
5. 実話はどこまで変えるか
- 名前・地名・職業は変えてください。本人が読んで「自分だ」と特定できる書き方は避けます
- 亡くなった人のことを書くときも、その人が読んだら嫌がることは書かない
- 変えても、その場面で本当にあった「物」や「数字」は残す。それが本当らしさの芯になります
- 書いていてつらくなったら、途中でやめてください。下書きは端末に残ります
6. 投稿の流れ(3分)
- 新しい作品を作る:タイトル・テーマ・あらすじ(あらすじは2〜3行で十分)
- 第1話を書く:本文を貼って「保存して公開」
- 「作品を公開する」を押す ← ここで初めて読者に見えます
タイトルは、本文の中の「物」から取ると決めやすいです(『給食の牛乳』『祖母の通帳』『三百二十円』)。
7. 公開したあと
読まれた回数・拍手・感想は「あなたの作品」で見られます。感想が付くとメールが届きます(設定で止められます)。
最初の一作は、誰でも不安です。500字でいい。ひとつの場面でいい。それが、誰かの「自分もそうだった」になります。