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@library · 2026年9月23日から

22 作品 · 2.4万字 · ♥ 0

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作品

ホームの反対側

ホームの反対側

人生図書館 · 11日前

別れ話をした駅で、彼女は上り、私は下りのホームに立った。線路をはさんで、二分。電車が来るまでのあいだに、言うべきことがあった。

二百万円

⚖️ 罪と赦し完結1話 · 928字

二百万円

人生図書館 · 2026年9月25日

息子の保釈金は二百万円だった。私は定期を解約して、それを持って裁判所に行った。窓口の人は、私の顔を見なかった。それがありがたかった。

送迎車の朝

🍂 老い・死完結1話 · 963字

送迎車の朝

人生図書館 · 2026年9月24日

デイサービスの送迎車を運転して四年になる。毎朝八時二十分、団地の三号棟の前で、松田さんは必ず玄関の外に立って待っている。その松田さんが、今朝はいなかった。

検査結果の日

🏥 病気・闘病完結1話 · 781字

検査結果の日

人生図書館 · 2026年9月24日

夫の検査結果を聞きに行く日、私は朝から洗濯物を三回たたみ直した。病院で医師が使った言葉を、私はひとつも覚えていない。覚えているのは、帰りのコンビニのことだけだ。

三十年目の同窓会

三十年目の同窓会

人生図書館 · 11日前

中学の同窓会の案内が来た。三十年ぶり。出席の返信をしたのは、幹事の名前が、あのとき私を庇ってくれた子だったからだ。

判子の場所

💍 恋愛・結婚完結1話 · 840字

判子の場所

人生図書館 · 2026年9月24日

離婚届は、書き終えてから八か月、冷蔵庫の上の菓子箱に入っている。夫も私も、出しに行かない。出さない理由も、出す理由も、言わない。

夏休みの図書室

🎒 青春・学校完結1話 · 870字

夏休みの図書室

人生図書館 · 2026年9月24日

中三の夏、教室には行けなかったけれど、図書室には行けた。司書の先生は、私に何も聞かなかった。かわりに、返却された本を分類する仕事をくれた。

駅までの十二分

駅までの十二分

人生図書館 · 2026年9月24日

上京の朝、父が駅まで車で送ってくれた。家から駅まで十二分。私はその間に、ひとことだけ言うつもりでいた。言えないまま、改札を通った。

祖母の通帳

祖母の通帳

人生図書館 · 2026年9月24日

祖母が亡くなって、遺品から私の名義の通帳が出てきた。毎月三千円。四十年。私は一度も、その口座のことを聞いたことがなかった。

母の台所

🏠 家族完結3話 · 1,620字

母の台所

人生図書館 · 2026年9月24日

母が倒れたのは、私が三十二歳の春だった。実家の台所に立つと、母がそこにいた頃の音がまだ残っている。冷蔵庫の奥に、母の字で「カレー」と書かれたタッパーを見つけた日のこと。

五時のチャイムが鳴るまで

🎒 青春・学校完結1話 · 893字

五時のチャイムが鳴るまで

人生図書館 · 2026年9月24日

高二の秋、僕は陸上部を辞めた。理由はひとつも言えなかった。辞めたあとも、グラウンドの見える階段に毎日座っていた。そこに、同じ部の三崎が来るようになった。

給食の牛乳

🪙 貧困・格差完結1話 · 1,091字

給食の牛乳

人生図書館 · 11日前

小学四年のとき、給食の牛乳を飲まずに持って帰る子がいた。先生は見て見ぬふりをしていた。私はそれを、三十年たった今も、たまに思い出す。

遠くで灯りが

🌱 孤独・再生完結1話 · 786字

遠くで灯りが

人生図書館 · 2026年9月24日

離婚して、犬も連れていかれて、四十五歳でワンルームに戻った。向かいのアパートの一室に、毎晩同じ時間に灯りがつく。誰が住んでいるのか、私は知らない。

点滴の音

🏥 病気・闘病完結2話 · 939字

点滴の音

人生図書館 · 2026年9月24日

入院十四日目。夜勤の看護師さんは、いつも私のベッドの点滴を確認したあと、少しだけ窓を開けてくれる。

バンコクのコインランドリー

🧭 旅・異国完結1話 · 950字

バンコクのコインランドリー

人生図書館 · 2026年9月24日

会社を辞めて三週間目、バンコクの安宿。乾かない洗濯物をかかえてコインランドリーに行くと、日本語で「何日目?」と聞かれた。七十くらいの男の人だった。

三十六歳、履歴書の空白

🔥 仕事・挑戦連載中3話 · 2,098字

三十六歳、履歴書の空白

人生図書館 · 2026年9月24日

会社が潰れた。妻には言えなかった。朝、いつもどおりスーツを着て家を出て、公園で履歴書を書いた。三か月目、公園の前のパン屋に「アルバイト募集」の紙が貼られた。

祖父の地図

🕊️ 戦争・時代連載中2話 · 1,447字

祖父の地図

人生図書館 · 2026年9月24日

祖父の遺品から、手書きの地図が出てきた。シベリアの、名前も知らない収容所の地図だった。祖父は生前、戦争の話を一度もしなかった。

北口のロッカー

🌱 孤独・再生完結1話 · 1,137字

北口のロッカー

人生図書館 · 11日前

専門学校を三か月でやめて、友だちの家を転々としていた十九歳。ギターだけは、大宮駅北口のコインロッカーに「住まわせて」いた。三日に一度、三百円。

金曜日のスーパー

💍 恋愛・結婚完結1話 · 952字

金曜日のスーパー

人生図書館 · 2026年9月24日

結婚六年目。妻が病院に通い始めて、金曜日の買い物は私の担当になった。金曜は卵が百二十八円だと、私はそのとき初めて知った。

父の免許

🍂 老い・死完結2話 · 1,524字

父の免許

人生図書館 · 2026年9月23日

七十九歳の父が、電話の最後の三十秒で「免許、返すことにした」と言った。横浜から秋田へ。免許センターの帰り、父は「そこまで俺が運転する」と言って譲らなかった。

夜勤明けのドーナツ

🔥 仕事・挑戦完結1話 · 1,443字

夜勤明けのドーナツ

人生図書館 · 2026年9月24日

相模原の物流倉庫で夜勤をしている四十一歳の母と、高二の息子。すれ違いの朝、息子が「大学、行かないかも」と言った。

三百二十円

⚖️ 罪と赦し完結1話 · 1,023字

三百二十円

人生図書館 · 2026年9月23日

小さな薬局で十八年働いて、万引きを捕まえたのはその日が最初だった。リップクリーム一本、三百二十円。捕まえた理由は、私が疲れていたからだ。