夏休みの図書室
この本について
通り魔とひったくりを繰り返してきた若い男が、逃げた先の山村で、ひとりの老婆に拾われる。 伊豆見翔人は、二十歳そこそこで、人を傷つけることに何の感情も持てない。金がなくなればまた奪えばいい。そう思って逃走を続けているうちに、宮崎の山あいの集落に迷い込む。足を痛めて動けなくなった彼を、スマという老婆が家に泊める。彼女は翔人を「孫」だと思い込んでいるふうでもあり、そうでないふうでもある。 村の人たちは、翔人の正体を知らないまま、畑仕事や祭りの準備を手伝わせる。働いて、飯を食い、名前を呼ばれる。それだけのことが、翔人にとっては初めての経験だった。 罪の話だが、裁きの話ではない。人は変われるのか、と問う小説に対して、この本は「変わる前に、まず誰かに必要とされる必要がある」と答えているように読める。
この本が好きなら、この投稿小説
「心が温まる」の読後感が近い作品と、同じテーマの作品です。無料で読めます。
三十年目の同窓会
点滴の音