ホームの反対側
この本について
特攻で死んだ祖父のことを、孫が調べ始める。戦友たちを訪ね歩くうちに見えてきたのは、「臆病者」と呼ばれた一人のパイロットの姿だった。 司法試験に落ちて腐っていた健太郎は、姉に頼まれて、血のつながった祖父・宮部久蔵の足跡をたどる。海軍の戦闘機乗りとして腕は一流だったのに、生きて帰ることに執着し、周りからは軽蔑されていた。それがなぜ最後に特攻に志願したのか。 証言を集める形式なので、章ごとに語り手が変わり、同じ人物が正反対に語られる。真珠湾、ミッドウェー、ラバウル。戦史の流れも自然に頭に入る。 戦争を美化しているという批判と、反戦小説だという読みの両方がある本だが、少なくとも宮部という男の「妻と娘のところへ帰る」という願いは、どちらの側から読んでも変わらない。二〇一三年に映画化。
この本が好きなら、この投稿小説
「泣ける」の読後感が近い作品と、同じテーマの作品です。無料で読めます。
母の台所
点滴の音