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52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

町田そのこ · 中央公論新社(中公文庫) · 2023年

他の鯨には聞こえない周波数で鳴く鯨がいる。誰にも届かない声を持ったまま大人になった女性が、海辺の町でひとりの少年と出会う話。 主人公の貴瑚は、家族に人生を使い潰されたあと、東京を離れて大分の小さな町に移り住む。周りからは「訳あり」と見られ、…

余命10年

余命10年

小坂流加 · 文芸社(文芸社文庫NEO) · 2017年

二十歳で、治らない病気だとわかった。余命はおよそ十年。それなら恋はしない、と決めた女性の話。 主人公の茉莉は、肺の難病で入院した病室から物語を始める。退院後は、残りの時間を穏やかに使うために、人と深く関わらない暮らしを選ぶ。ところが同窓会で…

わたしを離さないで

わたしを離さないで

カズオ・イシグロ(土屋政雄 訳) · 早川書房(ハヤカワepi文庫) · 2008年

英国の寄宿学校で育った三人の、子ども時代から大人になるまでの記憶。語り手は「介護人」として働く女性、キャシー。 ヘールシャムという学校は、外の世界から切り離されていて、生徒たちは絵を描き、詩を書き、健康を管理される。何のためにそうしているの…

長いお別れ

長いお別れ

中島京子 · 文藝春秋(文春文庫) · 2018年

元中学校長の父が、認知症になった。家族がその十年を、それぞれの場所から見つめる連作小説。 父の昇平は、少しずつ言葉を失い、家族の名前を間違え、それでも礼儀正しい。母は在宅で介護を続け、三人の娘はそれぞれ結婚や仕事を抱えながら、実家との距離を…

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

梨木香歩 · 新潮社(新潮文庫) · 2001年

中学に通えなくなった少女が、田舎に住む祖母のもとで一か月ほど暮らす。祖母は英国人で、自分のことを魔女だと言う。 まいは学校の人間関係に疲れて、母親の勧めで「西の魔女」の家に預けられる。そこでの日々は、野いちごを摘み、シーツを干し、鶏の世話を…

ツナグ

ツナグ

辻村深月 · 新潮社(新潮文庫) · 2012年

死んだ人に、一度だけ会わせてくれる使者がいる。その使者を通じて再会を果たす人たちの、五つの話。 再会には決まりがある。生きている側も死んだ側も、使えるのは一生に一度。会えるのは満月の夜に一晩だけ。会いたい相手が承諾しなければ会えない。この決…

永遠の0

永遠の0

百田尚樹 · 講談社(講談社文庫) · 2009年

特攻で死んだ祖父のことを、孫が調べ始める。戦友たちを訪ね歩くうちに見えてきたのは、「臆病者」と呼ばれた一人のパイロットの姿だった。 司法試験に落ちて腐っていた健太郎は、姉に頼まれて、血のつながった祖父・宮部久蔵の足跡をたどる。海軍の戦闘機乗…

塩狩峠

塩狩峠

三浦綾子 · 新潮社(新潮文庫) · 2005年

明治の終わり、北海道の塩狩峠で、暴走する客車を自分の体で止めた鉄道職員がいた。実在の人物をもとにした小説。 主人公の永野信夫は、東京で生まれ、キリスト教を嫌う祖母に育てられる。家には隠された事情があり、それを知った信夫は、人を信じることと神…

東京タワー

東京タワー

リリー・フランキー · 新潮社(新潮文庫) · 2010年

九州の炭鉱町で、母ひとり子ひとりで育った少年が、東京に出て、やがて母を東京に呼ぶ。母と息子の四十年ほどの話。 「ボク」は幼いころ父と別れ、筑豊の小倉で、母の実家を頼りながら育つ。オカンは働き者で、料理がうまく、誰にでも食べさせる。ボクは美大…

幸福な食卓

幸福な食卓

瀬尾 まいこ · 講談社(講談社文庫) · 2007年

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。朝食の席でそう宣言した父と、別居中の母、大学をやめて農業を始めた兄。中学三年の妹から見た、おかしな家族の一年。 主人公の佐和子は、家族の変調に慣れている。父は自殺未遂をしたことがあり、母は家を出たが…

とわの庭

とわの庭

小川 糸 · 新潮社(新潮文庫) · 2023年

目の見えない少女とわは、母と二人、庭のある家で暮らしていた。ある日、母が帰ってこなくなる。閉ざされた家から、世界へ出ていくまで。

ライオンのおやつ

ライオンのおやつ

小川 糸 · ポプラ社(ポプラ文庫) · 2022年

余命を告げられた三十三歳の女性が、瀬戸内の島にあるホスピスで、最後の日々を過ごす話。 雫は、育ててくれた義理の父に心配をかけたくなくて、ひとりで「ライオンの家」に入る。海の見える部屋、おいしい食事、犬の六花。ホスピスでは毎週日曜に「おやつの…

聖の青春

聖の青春

大崎 善生/YUME · KADOKAWA(角川つばさ文庫) · 2016年

腎臓の難病を抱えながら将棋の頂点を目指し、二十九歳で亡くなった棋士・村山聖の生涯を描いたノンフィクション。 村山は五歳で腎ネフローゼを発症し、入院中に将棋を覚える。体調が悪いと布団から出られないのに、盤の前では誰より強かった。広島から大阪へ…

世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

川村元気 · 小学館(小学館ジュニア文庫) · 2016年

脳腫瘍で余命わずかと告げられた三十歳の郵便配達員の前に、自分そっくりの悪魔が現れて取引を持ちかける。世界から何かひとつ消せば、一日生きられる。 最初に消えたのは電話。次に映画、時計。そのたびに、主人公は消えるものと一緒にあった記憶をたどる。…

汝、星のごとく

汝、星のごとく

凪良 ゆう · 講談社(講談社文庫) · 2025年

瀬戸内の島で育った高校生の男女が、十七歳で出会い、互いの家の事情に縛られながら、十五年にわたって関わり続ける話。 暁海の家は、父が愛人のもとに通っていて、母はそれに耐えている。櫂は、男に依存する母と二人で島に流れてきた。二人は惹かれあい、将…

かがみの孤城

かがみの孤城

辻村 深月 · ポプラ社(ポプラ文庫) · 2021年

学校に行けなくなった中学一年生の部屋の鏡が、ある日光り始める。鏡の向こうには城があり、同じような七人の中学生が集められていた。 こころは、入学早々クラスの女子から嫌がらせを受け、家から出られなくなった。鏡を抜けた先には、狼の面をつけた少女「…

百花

百花

川村 元気 · 文藝春秋(文春文庫) · 2021年

認知症の母が、息子の名前を忘れていく。母が消してしまった記憶の中に、息子の知らない母の人生があった。

火垂るの墓

火垂るの墓

野坂 昭如 · 新潮社 · 2003年

神戸の空襲で母を亡くした十四歳の兄と四歳の妹が、親戚の家を出て、防空壕で暮らし始める。一九四五年の夏の話。 清太は、体の弱い妹の節子を連れて叔母の家に身を寄せるが、食糧の減る中で疎まれ、家を出る。池のそばの壕にふたりで住み、蛍を放ち、貯金を…

TUGUMI

TUGUMI

吉本ばなな · 中央公論新社(中公文庫) · 2026年

病弱で、わがままで、美しいつぐみ。海辺の町で過ごす最後の夏を、いとこのまりあの目で描く。

あん

あん

ドリアン助川 · ポプラ社(ポプラ文庫 日本文学 266) · 2015年

どら焼き屋に雇われた老女・徳江の作るあんは、絶品だった。彼女がなぜ何十年も社会から隔てられていたのか。