ホームの反対側
この本について
九州の炭鉱町で、母ひとり子ひとりで育った少年が、東京に出て、やがて母を東京に呼ぶ。母と息子の四十年ほどの話。 「ボク」は幼いころ父と別れ、筑豊の小倉で、母の実家を頼りながら育つ。オカンは働き者で、料理がうまく、誰にでも食べさせる。ボクは美大に進み、東京で遊び、借金をつくり、なかなか一人前にならない。オトンはときどき現れて、金を置いて、また消える。 題名の「時々、オトン」がすべてを言っている。この本は母の話であると同時に、父と息子が互いをどう扱えばいいかわからないまま年をとる話でもある。 後半、オカンが病気になり、ボクが看病する場面は、母親のいる人なら誰でも自分のことを考えてしまう。二〇〇六年の本屋大賞。読み終えたら、実家に電話をかけたくなる。
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