送迎車の朝
この本について
妻をバス事故で亡くした作家が、同じ事故で妻の親友を亡くした一家の子どもたちの面倒を見始める話。 衣笠幸夫は小説家で、テレビにも出る。妻の夏子が友人と旅行中に事故で死んだとき、彼は別の女性と一緒にいた。悲しめない自分を持て余しているところへ、夏子の親友の夫・大宮が現れる。トラック運転手で、幼い息子と娘を抱えて途方に暮れている。幸夫は、子どもたちの送り迎えを引き受ける。 泣けない人の話だ。幸夫は自分が本当に悲しんでいるのか、周りに見せるために悲しんでいるのか、わからない。そのわからなさを、著者は責めずに、長く追いかける。 映画監督でもある西川美和の小説で、二〇一六年に本人の監督で映画になった。喪失の話を読みたいが、きれいな涙は信用できない、という人に。
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