送迎車の朝
この本について
昭和の初め、東京郊外の赤い三角屋根の家で女中として働いた女性が、晩年にその日々をノートに書き残す。 タキは山形から出てきて、平井家に住み込みで入る。奥様の時子は若く美しく、坊ちゃんは足が悪く、旦那様は玩具会社の重役。モダンな小さい家で、タキは掃除と料理をし、来客を迎え、奥様の身支度を手伝う。やがて時子は、会社の若い社員・板倉に心を寄せるようになり、タキはそれを一番近くで見ている。 戦争が近づく時代の話だが、暮らしの記憶は明るく、食べ物や着物や買い物の描写が楽しい。ノートを読む甥の健史が「本当にそんな平和だったのか」と口を挟むのも、この小説の仕掛けのひとつ。 最終章で、タキが何十年も黙っていたことが明かされる。二〇一〇年の直木賞。山田洋次監督で映画にもなった。
この本が好きなら、この投稿小説
「考えさせられる」の読後感が近い作品と、同じテーマの作品です。無料で読めます。
三十年目の同窓会
判子の場所