三十年目の同窓会
この本について
明治の終わり、北海道の塩狩峠で、暴走する客車を自分の体で止めた鉄道職員がいた。実在の人物をもとにした小説。 主人公の永野信夫は、東京で生まれ、キリスト教を嫌う祖母に育てられる。家には隠された事情があり、それを知った信夫は、人を信じることと神を信じることのあいだで長く揺れる。やがて北海道に渡り、鉄道の仕事につき、ひとりの女性と婚約する。 信仰の話が多いので、そこに抵抗がある人もいると思う。ただ、この小説が本当に書いているのは、信じるとはどういうことかというより、自分の命を何に使うかという問いのほうだ。最後の場面は、事実として知っていても、読むと止まらない。 一九六八年刊行。旭川の近くにある塩狩駅には、今も記念碑がある。読んだあとに地図で場所を確かめたくなる本。
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