ホームの反対側
この本について
「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。朝食の席でそう宣言した父と、別居中の母、大学をやめて農業を始めた兄。中学三年の妹から見た、おかしな家族の一年。 主人公の佐和子は、家族の変調に慣れている。父は自殺未遂をしたことがあり、母は家を出たが毎日食事を作りに来る。兄の直は秀才だったのに進学をやめた。それでも食卓だけは続いている。 学校では、転校してきた大浦くんと親しくなる。大浦くんは変わっていて、まっすぐで、佐和子の家の事情を聞いても驚かない。この二人の場面が、この本の明るさを支えている。 前半は笑いながら読める。だから後半の出来事が、こたえる。瀬尾まいこの初期の代表作で、二〇〇七年の吉川英治文学新人賞。家族の形が一つではないことを、説教抜きで教えてくれる。
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