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52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

町田そのこ · 中央公論新社(中公文庫) · 2023年

他の鯨には聞こえない周波数で鳴く鯨がいる。誰にも届かない声を持ったまま大人になった女性が、海辺の町でひとりの少年と出会う話。 主人公の貴瑚は、家族に人生を使い潰されたあと、東京を離れて大分の小さな町に移り住む。周りからは「訳あり」と見られ、…

そして、バトンは渡された

そして、バトンは渡された

瀬尾まいこ · 文藝春秋(文春文庫) · 2020年

父親が三回、母親が二回変わった。それなのに、いつも誰かに大事にされてきた少女の高校三年間。 主人公の優子は、血のつながらない親のあいだを、事情があってリレーのように渡されてきた。今いっしょに暮らしているのは、二十歳ほど年上の「森宮さん」。料…

舟を編む

舟を編む

三浦しをん · 光文社(光文社文庫) · 2015年

新しい国語辞典『大渡海』を作る。完成まで十五年かかる仕事に、営業部から引き抜かれた青年がのめり込んでいく話。 主人公の馬締光也は、人と話すのが苦手で、言葉を選ぶのに時間がかかる。その性質が、辞書を編む仕事にはちょうどよかった。用例採集カード…

蜜蜂と遠雷(上)

蜜蜂と遠雷(上)

恩田陸 · 幻冬舎(幻冬舎文庫) · 2019年

国際ピアノコンクールに集まった四人の若者を、予選から本選まで追いかける話。上下巻で、ひとつのコンクールの二週間ほどが描かれる。 養蜂家の父と旅をしながら育ち、家にピアノを持たない少年・風間塵。母を亡くしてから舞台に立てなくなった元天才少女・…

一瞬の風になれ 第一部

一瞬の風になれ 第一部

佐藤多佳子 · 講談社(講談社文庫) · 2009年

サッカーをやめた高校一年生が、陸上部で短距離を走り始める。三年間を三部作で描く、その第一部。 主人公の新二は、天才肌の兄と同じサッカー部にいたが、自分の限界を知ってやめた。親友の連に誘われて陸上部に入り、初めて百メートルを全力で走る。何も考…

流浪の月

流浪の月

凪良ゆう · 東京創元社(創元文芸文庫) · 2022年

九歳の少女と十九歳の大学生。「誘拐事件」として報道された二か月間の真相を知っているのは、本人たちだけだった。 家に居場所のなかった更紗は、公園で出会った文の家についていき、そこで穏やかな時間を過ごす。だが世間から見れば、それは幼女誘拐にほか…

海賊とよばれた男

海賊とよばれた男

百田 尚樹 · 講談社(講談社文庫) · 2014年

敗戦の日、焼け野原の東京で、石油会社の社長が社員に告げる。「一人も馘にしない」。出光興産の創業者をモデルにした、経済小説の形をした人物伝。 国岡鐵造は、戦前から独自のやり方で石油を売り、戦後は海外のメジャー企業と渡り合う。社員に出勤簿も定年…

汝、星のごとく

汝、星のごとく

凪良 ゆう · 講談社(講談社文庫) · 2025年

瀬戸内の島で育った高校生の男女が、十七歳で出会い、互いの家の事情に縛られながら、十五年にわたって関わり続ける話。 暁海の家は、父が愛人のもとに通っていて、母はそれに耐えている。櫂は、男に依存する母と二人で島に流れてきた。二人は惹かれあい、将…

かがみの孤城

かがみの孤城

辻村 深月 · ポプラ社(ポプラ文庫) · 2021年

学校に行けなくなった中学一年生の部屋の鏡が、ある日光り始める。鏡の向こうには城があり、同じような七人の中学生が集められていた。 こころは、入学早々クラスの女子から嫌がらせを受け、家から出られなくなった。鏡を抜けた先には、狼の面をつけた少女「…

羊と鋼の森

羊と鋼の森

宮下奈都 · 文藝春秋(文春文庫) · 2018年

高校の体育館で、ピアノの調律を見た。その音に打たれた少年が、調律師になって、音を探し続ける話。 外村は北海道の山あいで育ち、特別な才能もなく、将来のことも考えていなかった。たまたま立ち会ったピアノの調律に心を奪われ、専門学校に進み、楽器店に…