夏休みの図書室
この本について
サッカーをやめた高校一年生が、陸上部で短距離を走り始める。三年間を三部作で描く、その第一部。 主人公の新二は、天才肌の兄と同じサッカー部にいたが、自分の限界を知ってやめた。親友の連に誘われて陸上部に入り、初めて百メートルを全力で走る。何も考えずに走ることが、こんなに気持ちいいとは思っていなかった。 部活小説の王道だが、努力すれば報われる、という話ではない。新二は速くなるが、連はもっと速い。兄はもっと遠くにいる。それでも走ることをやめない理由が、少しずつ言葉になっていく。リレーのバトンパスの場面は、読んでいて息が止まる。 二〇〇七年の本屋大賞。中高生に薦めやすい本だが、走ることをやめて久しい大人が読むと、別のところが痛む。
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