夏休みの図書室
この本について
高校一年の女子が、クラスで孤立している男子の背中を、蹴りたくなる。その衝動の正体を本人も掴めないまま、二人の奇妙な関係が続く話。 ハツは、クラスの「余り者」になることを自分で選んでいる。にな川は、あるモデルに異常なほど熱中していて、その話しかしない。ハツはにな川を軽蔑しているはずなのに、彼の部屋に通い、彼が傷つく場面を見たくなる。 恋愛でも友情でもない関係を、十代の生々しい感覚で書いている。「蹴りたい」という言葉は、好きとも嫌いとも言えない何かを、いちばん正確に表している。 二〇〇四年、著者十九歳での芥川賞。受賞当時は年齢の話題が先に立ったが、二十年たって読み返しても、教室の息苦しさの描写は古びていない。高校時代に居場所がなかった人に。
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