夏休みの図書室
この本について
新しい国語辞典『大渡海』を作る。完成まで十五年かかる仕事に、営業部から引き抜かれた青年がのめり込んでいく話。 主人公の馬締光也は、人と話すのが苦手で、言葉を選ぶのに時間がかかる。その性質が、辞書を編む仕事にはちょうどよかった。用例採集カード、語釈の書き方、紙の手触りへのこだわり。辞書がどうやってできるのかを、小説の形で細かく見せてくれる。 仕事小説として読める一方で、これは「言葉を尽くしても伝わらないことがある」人たちの恋愛と友情の話でもある。馬締が下宿の大家の孫娘に書いた手紙は、この小説でいちばん笑って、いちばん胸に残る場面だ。 二〇一二年の本屋大賞。映画とアニメにもなっているが、辞書ができあがるまでの時間の長さは、本で読んだほうが身にしみる。
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