送迎車の朝
この本について
長崎の任侠の家に生まれた少年が、歌舞伎の女形として芸の頂点を目指す。昭和から平成にかけての五十年を描く長編。 喜久雄は十五歳で父を抗争で亡くし、上方歌舞伎の名門・花井半二郎に引き取られる。そこには半二郎の実子・俊介がいた。血筋のある俊介と、血筋のない喜久雄。二人はライバルとして、友として、同じ舞台を目指していく。 歌舞伎の世界は、才能だけでは上がれない。家、血、後ろ盾。喜久雄はそのすべてを持たず、芸だけで戦う。その道のりは、華やかな場面と、人を裏切る場面の両方でできている。 吉田修一が三年間、黒衣として歌舞伎の楽屋に通って書いた小説。上下巻で長いが、舞台の場面に入ると時間を忘れる。二〇二五年に李相日監督で映画化され、大きな話題になった。
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