三十六歳、履歴書の空白
この本について
高校の体育館で、ピアノの調律を見た。その音に打たれた少年が、調律師になって、音を探し続ける話。 外村は北海道の山あいで育ち、特別な才能もなく、将来のことも考えていなかった。たまたま立ち会ったピアノの調律に心を奪われ、専門学校に進み、楽器店に就職する。先輩たちはそれぞれ違うやり方で音を作る。外村は自分の耳を疑いながら、客の家を回る。 劇的な出来事はほとんど起きない。双子の姉妹の家のピアノを調律し、その姉妹の進む道が分かれ、外村は自分に何ができるかを考える。それだけの話が、静かに続く。 題名は、ピアノの内部の羊毛のハンマーと鋼の弦から来ている。仕事を覚えていく話であり、同時に、才能がなくても続けることを選ぶ話でもある。二〇一六年の本屋大賞。仕事に迷っている人に薦めたい一冊。
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