ホームの反対側
この本について
二十歳で、治らない病気だとわかった。余命はおよそ十年。それなら恋はしない、と決めた女性の話。 主人公の茉莉は、肺の難病で入院した病室から物語を始める。退院後は、残りの時間を穏やかに使うために、人と深く関わらない暮らしを選ぶ。ところが同窓会で再会した和人に、決めたことを崩される。 闘病ものというより、期限つきの日常をどう過ごすかの記録に近い。旅行に行く、小説を書く、家族と食事をする。そういう普通のことが、期限があるというだけで違って見えてくる。 著者の小坂流加さんは、この作品と同じ病気で、二〇一七年に亡くなった。文庫版はその前に改稿された最終稿にあたる。作者の事情を知って読むと、後半の一行一行が重くなるが、知らずに読んでも本として立っている。二〇二二年に映画化。
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