検査結果の日
この本について
「恥の多い生涯を送って来ました」で始まる、ひとりの男の手記。人を恐れ、道化を演じ、酒と女に逃げ、最後には自分を人間の失格者だと結論づける。 主人公の葉蔵は、裕福な家に生まれながら、他人が何を考えているかがまったくわからない。それを隠すために、子どもの頃からわざと笑わせる役を引き受けてきた。東京に出て、絵を描き、左翼運動に近づき、女性と心中を図り、生き残る。 太宰治の死の直前に発表された作品で、作者の人生と重ねて読まれることが多い。ただ、それを知らなくても、この手記は今の言葉で言えば「生きづらさ」の記録として、そのまま読める。葉蔵が自分を責める言葉は、驚くほど今の若い人の言葉に近い。 一九四八年刊行。日本でもっとも読まれている小説のひとつ。何十年に一度、若い読者に発見され直す本だと思う。
この本が好きなら、この投稿小説
「つらい」の読後感が近い作品と、同じテーマの作品です。無料で読めます。
二百万円
三十六歳、履歴書の空白