判子の場所
この本について
弁当屋で働く母娘が、元夫を殺してしまう。隣に住む高校の数学教師が、事情を察して、完璧な隠蔽工作を申し出る。 石神は、天才と言われながら研究の道を外れ、高校で数学を教えている。生きる意味を見失っていた彼にとって、隣に越してきた靖子と娘は、唯一の光だった。事件の夜、彼は二人を守ると決める。 探偵役は物理学者の湯川。石神とは大学時代の同級生で、互いの頭脳を知っている。警察が追えば追うほど、石神の仕掛けが見えてこない。 ミステリーとして名高いが、この図書館に置いている理由は別にある。報われることを一切求めない献身が、どこまで人を動かせるか。最後に明かされる石神の計画は、謎解きの驚きより、読んでいる側の胸をえぐる。二〇〇六年の直木賞。映画も評価が高い。
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