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センセイの鞄

センセイの鞄

川上 弘美 · 新潮社(新潮文庫) · 2007年

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この本について

三十七歳の独身女性が、駅前の居酒屋で高校時代の国語教師と再会する。三十歳離れた二人の、ゆっくりとした恋の話。 ツキコさんは、ひとりで飲むのが好きだ。隣でまぐろ納豆を頼んだ老人が、昔の先生だった。それから二人は、約束もしないのに同じ店で会い、同じものを食べ、たまにきのこ狩りや花見に行く。先生は古風で、鞄をいつも持っていて、ツキコさんは先生の前では少し子どもに戻る。 劇的なことは起きない。会話と食べ物と季節が、短い章で淡々と続く。それが、こんなに切ない読み物になることに驚く。 川上弘美の代表作で、二〇〇一年の谷崎潤一郎賞。年の差の恋愛小説と紹介されることが多いが、「人と人が近づく速度」の話として読んだ。最後の章は、できれば静かな夜に。

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